「妊活ストレスを感じている方へ」専門家からのメッセージ
2022.06.04
ストレスと不妊
ストレス社会の現代で生活している私たち
「ストレスがたまる」「ストレス解消」など……
‟ストレス“という言葉は日常語となっています
でも、ストレスって何なのでしょうか
今回は、ストレスとは何か
そしてストレスと不妊の関係について探ってみたいと思います
ストレスとは何か?
「ストレス」と言う言葉は、元来機械工学の用語で、「物体のゆがんだ状態」を指しています。
例えば、ボールをギュッと握り、ボールの形が歪んだ状態を考えてみてください。
本来は、手でかけた外圧のことを「ストレッサー」、
力によってボールが歪んだ状態のことを「ストレス」と呼び、区別していました
つまり原因になるものが「ストレッサー」で、
それにより歪んだ状態を「ストレス」と呼んでいます
適度なストレスは必要!なのです。
私たちはストレスというと悪いものと思いがちですが、人を向上させたり、意欲的にさせるようなストレスもあるのです
ストレスが適度にかかっている人の方が人は生産的な活動ができる!
ストレスが全くない世界だと、ぼ~っとなってしまうような気もしますよね
ストレスで不妊になるのか?不妊によってストレスが起こるのか?
さて、ここが気になりますよね?
不妊はストレスのかかる経験ですが、不妊がストレスによって引き起こされることはないと言われ続けてきました
ストレスが直接的な不妊原因になることは証明されていません!
でも、修学旅行に行ったら、予定でもないのに生理になってしまった。
つらいことが続くと生理が遅れたなどの経験をされた人も少なくないと思います。
そう!
稀に、強いストレスによってホルモンレベルが変化し、排卵が不規則になることがあります。
研究の中には、強いストレスで女性の卵管痙縮や男性の精子造成の減少を引き起こす可能性があるというものもありますが、医学的根拠としては弱いです。
なぜ不妊がストレスとなるのか?
では、今度は反対を考えてみます
なぜ、不妊はストレスなのでしょうか
不妊治療中のストレスは大きいことは証明されています
不妊治療中の女性が感じるストレスは、癌や心臓病のような生命にかかわるような病気の人と同程度、あるいはそれ以上の水準を示すともいわれています
不妊の夫婦は毎月、子どもをきっと授かるという期待とだめだったという失望を繰り返し、慢性的なストレスを感じるのです
不妊の検査や治療は、身体的、精神的、経済的な負担を与え、ストレスとなりますが、1番大きな問題は、不妊は大きな人生上の危機となることです。
「危機」と聞いて、大げさと思う人もいるかもしれませんが、これ本当です
その診断によって、それまで当たり前のように考えていた「親になる」という目標が脅かされるからです
自分の人生が計画通りにいかないという経験なのです
ストレスとのつきあい方
1.幸せを感じることをみつける
一般的に、「ストレス解消方法」と呼ばれるものです
人によって、その方法はバラバラ
美味しいものを食べる、ドライブ、歌う、散歩、運動、映画鑑賞…
様々なことがあります。
私の場合、写真撮影、コーヒーを飲む、部屋を掃除する、愛犬とゴロゴロ、寝る…などです。
これ、できるだけ多くの引き出しを持っておくことをおススメします
ストレス度が低い時はコーヒーを飲む、ストレス度が超高くなったら温泉!とか。
多くの引き出しを持っている人の方がストレスに対応する能力も高いように感じます
2.今の生活の中で手に入れている物(幸せなもの)に目を向けてみる
「自然に子どもを授かれない」と、手に入らないものだけに目きがち
苦しい、つらい……とはいえ、手に入れているものがあるはず
3.人と比べない
これ重要! って、わかっていても、比べてしまうのですが……
不妊治療中は、「こどもを授かるかどうか」だけを比べていることもおかしいかなと、
時には我に返ってみましょう
4.自分を褒めてあげる
なんでも良いのです小さなことで良いのです
私は、「掃除ができた! えらいやん」「ごはん作った! めっちゃえらい」と褒めまくってます
基礎体温を測れた自分、笑えた自分……
大人になると、だれも褒めてくれないです
または、褒めてくれる人が減るのか一般的
だからこそ 自分で自分を褒めてあげましょう
5.人生計画を見直す
楽しみにしていた旅行が台風で中止になったら、がっかりだけど…
家での過ごし方を考えませんか?
これと同じです。うまくいかない時に突き進むから、苦しむのです
台風の中、強引に旅行へ行っていることと同じなのです。
Planを見直す
Planの変更は柔軟に考えた方が、結果楽しくなる可能性が高くなります
いかがでしたか
読んでみると簡単だけど、それができない… それが人間です。
20年以上、不妊看護に携わってきて思うことですが…
この「ストレス解消」を一人で考えて一人で乗り切れる方は少ない!
誰かと話をするだけで(夫の場合は、プラスになることもあるけれど、マイナスになる可能性もあります)
「あ、これならできるかも!」とか「こうしたいな!」と見えてくるものもがあります。
あっという間の人生
今を大事に生きてほしい。今を楽しく生きてほしい。今を笑って生きてほしい